ずっと憧れていた、手作りの梅干し。
でも、「面倒くさそう」「ハードルが高そう」「手間がかかりそう」となかなか手を出せずにいました。
梅干しといえば、樽や壺で大量に漬けるもの、というイメージがあったんです。保存がききますしね。
しかし!じつは少量(1kg〜)でも、梅干しを漬けることは可能です。
これなら、家族2人分で1年ぶんとしてもちょうどいい量じゃないですか?
また、樽・壺・おもしなどの特別な材料は必要ありません。
家にあるバットやざる、そしてジップロック袋さえあればいいんです!
今回は、わたしが実際に漬けた少量の梅干しのレシピや、詳しい作りかた、実際に食べてみての感想についてお伝えします。
梅干し作りのために用意するもの
ジップロック
ジッパー付きのジップロック(商品名)でもいいですし、類似品でもOK。
ただし、サイズは一番大きいLサイズもしくは「大」を選んでください。
もしない場合は、ビニール袋を2枚重ねにしても代用できますよ。
梅
黄色く熟したものを使います。
もし青い状態で買った場合は、常温においておき追熟させましょう。
2〜3日で黄色くなり、桃のような香りがしてきます。
なお、傷んだものは使わないようにしてください。
塩
一般的な精製塩(さらさらの塩)でも作れますが、おすすめはあら塩です。
あら塩は天然のミネラル(にがり)を含んでいるのが特徴。
- 梅酢があがりやすい
- 味がまろやかになる
- カビにくい
といったメリットがありますよ。
赤しそ
色をつけない「白梅干し」もありますが、一般的な赤い梅干しを作るには赤しその葉が必要。
梅干しの時期になると、スーパーや産直で出回ります。
そのまま使える「もみじそ」を使うとさらに便利ですよ。
その他
このほかに使うものは以下のとおりです。
- 竹串か爪ようじ(梅のヘタをとる用)
- ボウル(梅を洗う用)
- 深さのあるバット
- 平たいザル(土用干し用)
どれも家庭にあるものばかりなので、梅干しのために特別に買う必要はないでしょう。
平たい竹ザルは100円均一にもありますよ。
ジップロックを使った梅干しの作り方
分量
- 梅 1kg
- 塩 200g(梅の20%)
- ジップロック 1袋(Lサイズ)
- 赤しそ 200g
梅は5〜7月が旬で、6月にもっとも多く出回ります。
この時期に合わせて作りましょう!
行程としては梅の塩漬け→赤しそ漬け→土用干しなので、最初の段階では赤しそはなくても大丈夫です。
20%だとMAXなので、昔ながらのかなり塩辛い梅干しになります。
好みに合わせて調整してみてください。
塩漬け→赤しそ漬け→土用干しの手順
1、梅を洗い、ヘタをとる
まずは梅を1つ1つていねいに洗い、竹串やつまようじを使ってヘタをとります。
2、水気を拭く
さらに1つ1つ、乾いたふきんやキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
水気があるとカビの原因になるため、ていねいに!
3、ジップロックを消毒する
この行程は省略しても大丈夫ですが、カビが心配な人は焼酎やホワイトリカーをジップロックに少量入れ、全体に行き渡らせるようにして消毒しましょう。
4、梅と塩をジップロックに入れ密閉する
梅と塩をジップロックに入れ、平らに広げた状態で深めのバットに並べます。
その状態から、可能なかぎり空気を抜いて密閉しましょう。
漬けたあとはときどき上下を返しながら、梅全体に塩が行き渡るように上から揉みます。
この状態で2〜3日すると、だんだん白い液体が出てきます。これが梅酢(白梅酢)です。
5、赤しそに漬ける
梅酢につけてから10日から2週間後を目安に、赤しそに漬けましょう。
赤しそは茎付きの場合は葉っぱだけをとって洗い、適量の塩でよくもんで汁を捨てる、という作業を2回繰り返し、アクを抜いておきます。(※もみじそを使う場合はそのままでOK)
アクを抜いた赤しそを、梅が入ったジップロックに入れ再び密閉しましょう。
赤しそが梅酢の酸と反応し、赤い色が出てきます。
▼漬けたばかりの状態。
▼しばらく経った状態。このまま土用干しをしなければ「梅漬け」になります。
しそから出た赤い色が、鮮やかでみずみずしいですね。
この赤い液体によく漬かった状態を「梅酢が上がった」といいますよ。
6、土用干しする
梅酢が上がり、夏の土用(年によって日にちが変わりますが、おおむね7月20〜30日頃です)のころに土用干しをします。
土用干しに雨は大敵なので、なるべく晴天がつづく3日間を選びましょう。
▼ザルに梅を広げます。赤しそも一緒に乾燥させれば、ふりかけとして食べられますよ。
土用干しは以下のような環境で行ってください。
- 風通しがいい
- 日当たりがいい
- カラスに食べられない
朝から夕方まで干し、可能であればそのあいだに1度上下を返しましょう。
夜は屋内へもどし、また翌朝から干すという流れを3日間つづけます。
▼3時間干しただけで色が変わりました。
▼3日間干した状態。塩分が多いため、かなり白っぽく塩が浮いていますね。
見た目にシワが寄り、指でつまんだときに皮と果肉が離れる感覚があれば干し終わりです。
ちなみにこの時点で食べてみると、ひたすらしょっぱいだけで酸味や旨味はまだ感じられませんでした。
8、梅酢に戻して3ヶ月〜1年漬け込む
土用干しを終えたらふたたび梅酢に戻します。
▼梅酢にもどして1日経つと、梅酢を吸い込んでふっくら・つややかに。
酸味のある梅酢に戻すことで、塩気だけでなく酸味がついていきます。
さらに年月をかけて熟成させていくと、旨味成分が濃くなりどんどんおいしくなっていくんですね。
1ヶ月もすれば一応食べられますが、よりおいしくなるのは3ヶ月後から。
おすすめは半年〜1年以上熟成させることですね。よく梅干しで「○年もの」といわれるのは、年月が経つほどおいしくなっていくからです。
時間はかかっても、手づくりのほうが安心して食べられますね。
6ヶ月後に食べてみた!
6ヶ月経った梅干しを食べてみました。
ソフトでフルーティーな香り、そして強烈な塩気と酸味があります。
でもそれだけではなく、梅自体の風味と味わいが、漬けてすぐのころとは段違い!
やっぱり時間とともに旨味がぐんと増しましたね。
果肉の歯ごたえもしっかりとあり、市販のぐにゃっとした梅干しとはまた違う感じ。
何よりも、風味のよさは自家製ならではでしょう。高い塩分濃度で漬けて天日でしっかり干すと、生ぐさみに似た嫌なクセがなくなり、いい香りだけが残ります。
梅って本来こんな味・香り・風味なんだな、というのがはっきりと感じられました。
まとめ:梅干しは意外とカンタンに作れます
ここまで読んでみて、「自分にも作れそうだな」と思いませんでしたか?
わたしは実際に作ってみて「思っていたよりカンタンだった」と感じました。
梅が梅漬けになり、そして梅干しになっていく過程が見られるのも楽しかったですね。
ジップロック袋だと透明なので、見た目にも変化がわかりやすいのがポイントです。
自分で作ってみると、さらに梅干しに愛着がわき、きっとおいしく大切に食べようという気持ちになるはず。
少量から作れる梅干し作り、ぜひ試してみてください!