わたしは20年以上の頭痛持ちです。
これまでさまざまな病院へ行き、さまざまな治療法を試し、試行錯誤を続けてきました。
その結果たどり着いたのは、頭痛を治すことを目的にするのではなく、できるだけ頭痛の原因を取り除いて回数を減らし、少しでも生活を快適にするということ。
そのためには、頭痛の見分け方や頭痛になる原因について知っておく必要があります。
今回は、わたしの経験からわかった頭痛との付き合い方のポイントをまとめました。
目次
痛み方で頭痛を見分けよう
頭痛には大きく分けて3パターンがあります。
わたしはこのうち2つが混じり合ったミックス型なのですが、そのときによって痛み方が違うため、長いこと自分の頭痛の種類が把握できず苦労しました。
2つ以上が混ざっていることもあるということを念頭に置きつつ、痛み方で見分ける方法を紹介します。
偏頭痛(片頭痛)
- 頭の片側が痛む
- ズキズキと脈打つような痛み
- 音や光で悪化する
- 痛みだす前に黒い点や光が見える
- ひどくなると吐き気が出る・嘔吐する
- 安静にしていると症状が軽くなる
- 冷やすと症状が軽くなる
- 1日〜3日間続く
片頭痛の特徴としてもっともわかりやすいのは、「ズキズキ」という痛み方です。
ズキズキもしくはドクンドクンなど、脈打つ感じに似た痛み方があるなら、偏頭痛の可能性が高いですね。
また、偏頭痛の場合は安静にしたり冷やしたりすると症状がよくなります。
最大でも3日間までで、それ以上持続しないのも特徴です。
緊張型頭痛
- 頭全体が重たい・締め付けられるような痛み
- 首や肩が凝る
- 目の奥が痛む
- 期間に関係なく続く・頻繁に起きる
- 夕方に痛みが強くなる
緊張型頭痛の場合、頭全体が重た〜いような痛み方をします。
もしくはサイズの小さいヘルメットをかぶっているように、ぎゅっと締め付けられている感覚です。
多くは首・肩・目の疲れや凝りと連動してひどくなります。
また、よりストレス度合いに関係しているのも緊張型頭痛だといわれていますね。
群発頭痛
- 頭の片側に、刺すような猛烈な痛みが起きる
- いちど起きると15分〜3時間ほど持続する
- 目が充血する・涙が出る・鼻水が出るなどの症状が併発する
- いちど起きると1ヶ月前後続く
頭痛は基本的に女性に多いですが、群発頭痛だけは8割以上が男性に起きます。
わたし自身経験がありませんが、その痛み度合いは半端ではなく、日常生活にも支障をきたすレベルだとか。
偏頭痛や緊張型頭痛では痛みが少しずつ強くなっていくので、群発頭痛との区別はつきやすいと思います。
わたしの場合は偏頭痛&緊張型頭痛のミックス型
ここからはわたしの頭痛の話です。
わたしの場合は偏頭痛&緊張型頭痛のミックス型で、日によってそのどちらかの頭痛が出現します。
見分けるポイントは自分なりにいくつかあります。
- 頭を振ったり、頭だけを下に向けてみて、痛みがひどくなるようなら偏頭痛
- 温めてよくなるなら緊張型頭痛、冷やしてよくなるなら偏頭痛
- 偏頭痛薬を飲んで効いたら偏頭痛、効かなかったら緊張型頭痛
こんな感じで、それぞれの頭痛の特徴がわかっていれば、どちらの頭痛なのか判断もしやすいです。
頭痛歴は20年以上
わたしの初めての頭痛の記憶は、小学校5年のお正月のこと。
母親に「なんか頭が痛い」と言いにいったことを覚えていますね。
わたしの母も、そして母の母(祖母)も頭痛もちだったので、そのとき母は「あぁ、やっぱりこの子も頭痛もちになってしまったか…」と思ったそう。
(頭痛には遺伝性が認められていて、4割〜9割の確率で遺伝するといわれています)
きっかけは、その冬にはじめたスキー部だったのではないかと。
急激な気温差は頭痛の原因になる、と知ったのは、のちに病院に通うようになってからのことでした。そのため、スキー部は1年目にして退部せざるを得ませんでしたね…。
それから20年以上、とくに中学生の頃はあらゆる病院に行き、あらゆる検査を受け、あらゆる治療を試しました。
今のようにネットが普及しておらず、親にもわたしにも正しい知識が足りず、とにかくやみくもに暗闇に手を伸ばしていただけの日々のような気がします。
頭痛のひどさは10代>20代>30代の順
現在わたしは30代ですが、頭痛のひどさを10代・20代と比べるとすれば
- 10代>20代>30代の順にひどかった
と言えます。
偏頭痛が女性に多いのは、生理や妊娠などホルモンバランスの影響が大きいとされています。
わたしはもともと生理不順&生理痛がひどく、10代のうちは頭痛にもホルモンの影響が大きかったのではないかと。
通っている病院のお医者さんに言われていることは
- 妊娠・出産すると頭痛はよくなる可能性が高い
- 更年期がくると頭痛の種類が変わる
ということですね。
参考までに、わたしの母の場合は30代後半〜更年期にかけてもっとも頭痛がひどく、閉経後はかなりラクになったそう。
頭痛になってから試してみたこと
MRI検査
頭痛で病院に行くと、まずは脳に異常がないかの検査をされます。
何らかの病気が隠れているかもしれないですからね。
MRI検査はウイーンと全身を機会の中に入れる検査で、もう何度もやっています。
頭痛もちなら何年かおきに受けたほうがいいと思います。
整体
小学校の頃から肩こりがひどかったため、「整体に行けば凝りや歪みがとれて頭痛が治るんじゃないか」と考えた父に連れて行かれました。
けっきょく、男の人(おじさん)に体をべったりと触られるのが気持ち悪すぎて、1回でギブアップ。当時中学生でしたが、今受けるとしても男性は嫌ですね。苦笑
凝りをとるという意味だと、マッサージ機やマッサージ店で施術を受けるのは好きで、よく利用しています。
ストレッチ
肩こりがひどいのは、わたしの体が固いのも原因のひとつでしょう。
体の固さを克服しようと、毎日まじめにストレッチを続けていた時期がありました。
けっきょく継続できずに今に至るわけですが…
枕を変える
これも父の発案で、「寝るときの姿勢で首や頭に負担がかかり、頭痛になっているかもしれない」ということで、何種類も枕を買ってきては試しましたね。
結果としては、どれもとくに変化はありませんでした。苦笑
頭痛外来
10代の頃親に連れて行かれたのは内科や神経内科で、頭痛専門の病院に行ったことはありませんでした。
そもそも20年前の当時は、頭痛専門の診療科目自体がほとんどなかったのではないでしょうか。
20代になって都会に出てから、初めて自分で頭痛外来の門を叩きました。
そこで今まで知らなかった頭痛の知識を、はじめてしっかり身につけることができたんですよね。
偏頭痛の薬「トリプタン」を知り、はじめて使ったのもこの時からです。
カフェイン断ち
カフェイン断ちを試したのは2年前のことで、もっとも最近の話ですね。
もともとコーヒー大好き人間で、20代の頃からすごい量を飲んでいたのですが、カフェインの摂りすぎは頭痛につながると知って、すっぱりとやめることにしたのです。
最初の1ヶ月は好転反応で死にそうな思いをしたものの、その後はびっくりするほどの変化が現れました。
偏頭痛の回数は半分ほどに、緊張型頭痛にいたってはほぼゼロにまで減ったんです。
おそらく、わたしの場合はもともとのカフェインの摂取量が多すぎたので効果があったんだと思います。
頭痛の原因になるもの
頭痛を引き起こさないためには、頭痛の原因になるものを知る必要があります。
わたし自身の経験から、「こんなことが原因で頭痛になった!」というものを思いつくだけ考えてみました。
寝不足
定番ですが、寝不足は頭痛に直結します。
わたしの場合は睡眠5時間を切ると、ほぼ間違いなく昼過ぎ〜夕方には頭痛になりますね。
このときの頭痛は頭がぼーっとして、ちょっと重たい感じ。
「あ、これは寝ると治るやつだな」と自分でもわかります。実際寝るとほぼ100%治りますね。
寝すぎ
寝不足の真逆ですが、寝すぎでも頭痛が起きます。
これは頭痛もちの人でなくても経験があるのではないでしょうか?
学校や仕事がない休日に寝るのが遅くなり、昼もしくは夕方まで寝ていたら頭痛になった、とか。
寝すぎによって血管が広がると偏頭痛が出ますし、同じ姿勢が続くことで筋肉が凝り固まって緊張型頭痛が出ることもあります。
低気圧
天気が悪いと何となく頭が重い、という女性は、わたしのまわりにも多かったです。
わたし自身も「なんか今日は頭が重い…」と思うと、台風が来ていたとか、夜から大雨だとかってことがよくあります。
また、気圧差でも頭痛になります。登山とか飛行機は、頭痛持ちの人は要注意ですね。
疲れ
寝不足同様、疲れも頭痛に直結します。
人混みに行ったあとや旅行のあと、仕事や勉強の疲れがたまっているときなどは起きやすいです。
目の使いすぎ
目の使いすぎも筋肉が疲労するので、目の奥やこめかみを中心とした頭痛が起きます。
読書やパソコン・スマホの見すぎ、長時間の運転でも起きやすいですね。
以下の対策が有効です。
- ホットアイマスクで目のまわりをあたためる
- ときどきツボ押しをする
- 適度に休憩をはさむ
- ブルーライトカットのメガネをつける
- メガネの度を合わせる
暑さ・寒さ
わたしのスキー部の話でもあったとおり、暑さや寒さ、気温差も頭痛の原因になります。
真夏の炎天下のイベントに行ったり、真冬にスキー場や冬花火なんかに行ったりすると、その日は最初から頭痛になることを覚悟するぐらいの勢いですね。苦笑
生活リズムの乱れ
誰しもある程度、自分の生活のパターンが決まっていると思います。
たとえば朝起きるのは7時、寝るのは23時…とかね。
よくお医者さんに、長期休暇(お盆・正月・ゴールデンウィークなど)前には「頭痛になりやすいから気をつけてね」と言われます。
つまり、ふだんの自分の生活のリズムが崩れやすいのが、休日や長期休暇なんですね。
生活リズムの乱れは頭痛を引き起こしやすいです。
光や音
これは主に偏頭痛の話ですが、光や音の刺激も頭痛に影響が出ます。
たとえば、ライブ会場で爆音を浴びたあととか。
わたし自身は光過敏なところもあり、頭痛になると必ず真っ暗な部屋で休むようにしています。
遺伝
両親のどちらかが頭痛もちで、あなたが女性なら、頭痛もちになる確率はかなり高いです。
頭痛を引き起こす食べ物
頭痛を引き起こしやすい食べ物というのもよく知られています。
要は血管を広げる作用のある食べ物がダメなんですね。
具体的には以下の3つが有名です。
- 赤ワイン
- チーズ
- チョコレート
わたしは3つとも好きなので、ほどほどに食べてます。。
薬の飲み過ぎ
1ヶ月のうち半分以上市販薬を飲んでいるなら、それは「薬物乱用頭痛」かもしれません。
薬の飲み過ぎがかえって頭痛を招き、悪化させている場合があります。
わたし自身、20代の頃に行った頭痛外来で指摘されたことです。
病気
慢性頭痛ではなく、何らかの病気由来の頭痛という可能性もあります。
くも膜下出血やうつ病で頭痛が起きやすいことはよく知られています。
頭痛歴20年のわたしが考える、頭痛と付き合う5つのポイント
ここまで読んできた人は、「けっきょく、頭痛を防ぐためにはどうしたらいいの?」と思っているかもしれません。
わたしがたどりついた答えは、「なるべく頭痛を引き起こさない生活をすること」です。
頭痛そのものを完全になくすことはできません。
つまり、頭痛になる原因をなるべく排除することが、頭痛を起きにくくする秘訣なのです。
そのポイントを5つにまとめました。
1、規則正しい生活
「え、なに当たり前のこと言ってんの?」と拍子抜けするのは早いです。
正直これはかな〜〜〜〜り大事。「当たり前」のこと、本当にできていますか?
昼夜逆転していた引きこもり時代や、夜勤があった介護職時代、そして3食きちんととらない&運動しない&遅寝遅起きの20代と、わたしの生活リズムははっきり言ってボロボロでした。
在宅フリーランスになってからは、仕事も生活も自分のペースでいいので、自然と生活リズムは固定されました。
- 朝6〜7時に起床
- 朝6時半にランニング(2日に1回)
- 朝8時に朝ごはん
- 昼12時に昼ごはん
- 夜7時に夕ごはん
- 夜10時にお風呂
- 夜0時に就寝
だいたいこんな生活で、大きくズレることはほとんどありません。
そしてこの規則正しい寝る・起きる・食べるのリズムというのが、けっきょく健康には一番大切なんですよね。
実際やってみて心から実感しました。
騙されたと思って、一度試してみてください。本当に効きますよ、これ。
2、運動する
わたしが30代になってから取り入れたのが、定期的な運動です。
関連記事:初心者はウォーキングから!30代女子がランニングを始めて2ヶ月までの感想
10代の頃は部活もやっていましたが、20代の頃は運動習慣がまったくなくて、肩こりもひどくなる一方でした。
運動をすると筋肉がついて基礎代謝があがり、血流がよくなって冷えにくくなり、さらに汗をかいて気分爽快と一石三鳥、いやそれ以上かもしれません。
運動嫌いならストレッチや筋トレ、ダンベル、ウォーキングだけでもいいと思います。
とにかく体を動かすのは大切です。とくに緊張型頭痛タイプなら効果抜群かと。
3、専門の病院へ通う
頭痛持ちでも、病院を受診しない人は多いです。
「いつものことだから」とつい思い、市販薬に頼ってしまう気持ち、よくわかります。わたしもそうでした。
しかし、専門の病院へ行くと正しい知識がつきますし、なにか変化があったときは相談もできます。
また、脳の病気が隠れている可能性もあるので、とにかく一度は検査をしましょう。
診療科目は何でもいい
わたしの場合は、最初は頭痛外来へ行きました。
その後引っ越すごとに神経内科を点々としていますが、正直診療科目は何でもいいと思います。
ただ、偏頭痛薬は頻繁に新しいものが出ているので、それなりに頭痛や頭痛薬に関する最新情報をチェックしてくれるお医者さんがいいかもしれません。
偏頭痛ならトリプタンが有効
偏頭痛に関して言えば、トリプタンという頓服(とんぷく)はかなり有効です。
これは痛みがひどくなってからでもある程度効きますし、偏頭痛に特化しているので、市販薬とは仕組みが違います。
偏頭痛がひどくて生活に支障が出るレベルの人は、今すぐ病院へ行くべき。
予防薬という選択肢もある
また、緊張性頭痛がひどくて1ヶ月の半分以上は市販薬を飲んでいるという人の場合は、予防薬を飲むことで頭痛を抑えられる可能性があります。
さらに、自己判断による市販薬の飲み過ぎによって薬物乱用頭痛を引き起こしている場合、自力ではもう対処できません。
この場合も、専門の病院で相談してみることをおすすめします。
4、痛みが悪化する前に対処する
緊張型頭痛であれ偏頭痛であれ、痛みは徐々にひどくなっていくもの。
悪化すると仕事や家事どころでなく、動けないレベルで痛くなってしまいますよね。
頭痛予防の観点で大事なのは、悪化する前に対処することです。
頭痛がはじまったな、痛くなりはじめたな、ぐらいで薬を飲んでしまうことで、悪化は防げます。
5、カフェイン断ちはやってみる価値あり
個人的にはすごく効果があったので、カフェイン断ちもしくはカフェインの摂取量を減らすという方法も試してみてもらいたいです。
カフェインは少量であれば頭痛に効果があるものですが、依存性もあり、摂りすぎはかえって頭痛を引き起こします。
もしコーヒーやお茶が大好きで、1日5〜6杯は飲んでいるという人は、その量を減らしてみてください。
わたしのように急にやめると、好転反応といって頭痛や激しい倦怠感・眠気などが起きるので、まずは少しずつ減らすのがおすすめです。
まとめ:頭痛とうまく付き合っていく方法を見つけよう
頭痛は目には見えないものなので、痛みをまわりの人にわかってもらうのが難しく、学校や仕事でも「ただサボっている」と思われがち。
わたしにとっても、それはとてもつらい経験でした。
本人にとっては、頭痛がたえず起きる日々というのは不便が多く、苦しいものです。
少しでもその回数を減らし、痛みを減らし、ふだん通りの生活を送るために、自分でもできることがあります。
まとめると、わたしが20年以上頭痛と付き合ってきてわかった、頭痛と付き合うポイントは以下の5つです。
- とにかく生活を正すこと
- 適度に運動すること
- 専門の病院へ行くこと
- 悪化する前に対処すること
- カフェインを摂りすぎないこと
頭痛に悩んでいる人は、ぜひできることから実践してみてください。