アマゾンプライムビデオに実写映画「バクマン。」が登場したので観てみました。
2015年の映画なので、今から3年前ですね。
漫画・映画の両方を観たわたしの感想をざっくりとまとめてみます。
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目次
バクマン。とは
バクマン。は、2008年〜2012年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された漫画です。
「DEATH NOTE(デスノート)」でおなじみの大場つぐみ・小畑健のコンビによるもので、単行本は20巻で完結しています。
一握りの者にしか得られない栄光を手にするため、険しい“マンガ道”を歩む決意をした二人。高い画力を持つ真城最高と、文才に長ける高木秋人がコンビを組み、新たなマンガ伝説を創る! 新時代成功物語開始!!(Amazon商品説明より)
かんたんに言うと、「絵が得意なサイコーと文才のあるシュージンがコンビを組み、漫画家としての成功を目指す物語」といったところでしょうか。
わたしははじめは知らなくて、兄に「バクマン。って漫画おもしろいから見て!!!」とゴリ押しされて読み始めました。
少年漫画だと絵やストーリーが受け入れられないものも多いのですが、わたしはもともと「デスノート」も読んでいたし、小畑さんの絵は繊細で女子でも読みやすいと思いましたね。
アニメは2010年〜2012年まで計3期放送。映画化されたのは2015年のことでした。
実写映画「バクマン。」の出演者
(バクマン。 – 映画・映像|東宝WEB SITEより引用)
さて、映画「バクマン。」の主演はこのお二方です。
- 佐藤健・・・真城最高(サイコー)
- 神木隆之介・・・高木秋人(シュージン)
最初は正直「え?配役逆じゃないの??」と思いました。
実際そういう声も多かったみたいですね。
でも観ているうちに違和感はなくなっていきました。
キャスティングについては、ヒロイン・亜豆美保役の小松菜奈ちゃんでかすぎ(身長)と思ったぐらいで、編集長役のリリー・フランキーさん、服部さん役の山田孝之さん、サイコーのおじさん(川口たろう)役の宮藤官九郎あたりはもうバッチリでしたね。
実写映画「バクマン。」を観た感想(ネタバレあり)
※ここから先は内容のネタバレがあります。
総まとめとして、わたしはおもしろかったです。
「まさにこれが青春…リア充…」という気持ちになって観てました。
とくに健くんと神木くんが(まさに高校生のように)はしゃぐ場面がよかったな〜。
削られたことで際立ったもの
単行本は全20巻あるので当然ですが、内容はかなり削られています。
ポイントを絞ったことで、映画の中で合言葉のように繰り返される「友情・努力・勝利」というキーワードが際立ったのではないでしょうか。
原作は中学生編から始まるところ、高校生からだったのもよかったですね。
原作ではかなり中2感が強いので、ヒロインとの時代遅れな付き合い方を一切排除したのはナイスだと思いました。
ほとばしる青春感
いや〜、エモいとはこのことですね。
ひたすら原稿にかじりつく二人も鬼気迫るものがあってよかったですが、映画の見せ場として、漫画用のペンを持って戦うCGアクションシーンを持ってきたのはよかったのではないでしょうか。
やや長くて飽きましたが、迫力もあったし。
主人公を動かすもの
ライバルの存在、病気、恋人との別れの危機…主人公たちを襲うトラブルが、これでもかと漫画に向かわせる原動力になるという、大変わかりやすい展開。
現役の連載作家陣が手伝いに来るのも、入院してたのに結局漫画仕上げられちゃうのもかなり無理があり、ドラマだなぁ…とは思いますが。
また、漫画よりもおじさん(川口たろう)の存在が鍵になっているというか、大きな存在であったという描き方はうまい。
編集長がなんでサイコーと川口たろうの関係に気づいたのかがわからなかったけど。(見落としたかな)
エイジは悪者?
染谷将太のエイジは予想外によかったです。
あのぶっ飛びキャラをどう表現する!?って、そういえばデスノートのL(エル)のときも同じことを思いました。笑
ただ、映画でのエイジの扱いはちょっと悪者すぎたような気もします。
ライバルがいたおかげで必死になれたのはあるし、ある意味”敵”に位置するキャラは必要ですが、エイジがただただ「才能があって、努力もして、手がとどかないぐらいすごい感じの悪い奴」として描かれていたような。
エイジにペン入れされるシーンは、途中までは「あれ、これむしろ助ける気で来てくれたんじゃ?」と思ったんですが…
だとしてもサイコーにとっては屈辱でしかないでしょうしね。
逆に、同時に連載を決めた先生たちが味方すぎたのかも。テーマに「友情」があるので仕方ないかもしれませんが。
さまざまなオマージュ
映画の中にさまざまなオマージュがひそんでいるのも楽しめたポイントですね。
わたしがわかったのはスラムダンクネタぐらいですが。
逆に言えば元ネタがわからない人には全然わからないので、つまらなく感じる可能性もあります。(もしくは気づかずスルー)
くだんの、先生たちが原稿を手伝ってくれるシーンもオマージュだったそうで。
特に終盤の「ライバルたちが仕事場に集まってサイコーを手伝う」という展開は、ちばてつやの『トモガキ』という漫画から着想を得たそうだ。
トキワ荘時代のちばてつやが、右手を大ケガして絵を描けなくなったとき、石ノ森章太郎や赤塚不二夫ら漫画家仲間たちが集まって、「困ったときはお互い様だ」とみんなで手分けして原稿を仕上げたという。大根監督はこのエピソードを今回の映画に引用しているのだ(後日、ちばてつやと対談した際、「勝手に拝借してすみません」と伝えたらしい)。(なぜ実写映画『バクマン。』は成功したのか?ネタバレ解説/感想より引用)
自分の原稿がある状況であそこまでライバルを助けるって、ちょっとありえないですけどね。笑
PNが亜城木夢叶じゃなかった
びっくりしたのは、シュージンの恋人・見吉の存在がばっさりカットされていたこと。
ふたりのペンネーム「亜城木夢叶(あしろぎ・むと)」を考えたのも見吉なので、映画の中ではそのペンネームも使われていませんでした。
まぁこの名前自体中2っぽいので、削っても問題ないエピソードだと思いますけどね…
むしろ、本名でやっていたことで後半に亜豆との関係がバレるわけで、うまくつなげたなーと感心しました。
ラストシーンが秀逸
映画全編のなかで特に好きだったのはラストシーン(エンドロール?)です。
サカナクションの「新宝島」が流れる中、本棚にある単行本をずらーっと映していくのですが、それがこれまでのジャンプの作品のオマージュなんですよね。
少年漫画をそんなに読んでいないわたしでもわかるものがいっぱいあって、おもしろかったです。
後半はスタッフの名前も単行本のパロディ形式になっていて、めちゃくちゃ凝ってる!!
ここだけでも観る価値はあると思いました。
まとめ:実写版「バクマン。」は青春ほとばしる胸アツ映画
漫画が原作で映画化すると、ファンから批判を受けるケースが多いです。
実際わたしも「漫画は好きだけど映画でがっかり」パターンは何度か経験がありますが、バクマン。に関しては成功例と言ってもいいのではないかと。
どちらかというと、原作が好きな層よりも、万人向けにうまく照準を合わせて作られている印象でした。
そのため、原作を読んでいなくても十分楽しめる内容になっていると思います。
ネタとしてはベタとも言える「友情・努力・勝利」というテーマで、忘れかけていた青春を思い出させてくれるような映画でした。
▼サイコーとシュージンのその後が気になるなら、漫画を読んでみるのもおすすめです。